ダークサイドの真意
今週から始まりますこのブログは、「BIOHAZARD / THE DARKSIDE CHRONICLES」のディレクターである私、カプコン、瀬戸康洋が様々な角度からその魅力を毎週お伝えしていく予定となっています。ちなみに前作であるアンブレラ・クロニクルズから引き続いてのトータル・ディレクターとなります。
“TALKING EVIL”というタイトルに少々気負いを感じつつ、ダークサイド・クロニクルズの魅力をこれから毎週伝えていこうと考えていますので、みなさんよろしくお願いします。
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「なんでこのタイトルなの?」
ダークサイド・クロニクルズ(略してダークロ)というサブタイトルからそんな疑問があるかと思いますが、私の中でダークロとは、アンブレラ・クロニクルズと“対”になるものというイメージコンセプトで捉えています。
バイオハザードシリーズ全体の流れの中、前作のシナリオはウェスカーから見たアンブレラ社の興亡史として制作しました。それがアンブレラという組織の、いわゆる年表に載るような大事件だったとするならば、その裏側ではもっと小さくて暗い、年表には決して載らないような事件もあったのではないかというのが、そもそもの発想でした。
そしていま公開しているバイオハザード2こそが、実は小さくて暗い事件であり、アンブレラ・クロニクルズに入れた作品群とは“対”となるべき違いがあることに気付きました。
その違いとはなにか?
思い返してみると、バイオハザード2はじつに多彩な要素が練りこまれています。洋館を舞台にした恐怖から、街全体が滅びようとしている終末的な恐怖へ。セクシーな謎の美女エイダや幼いシェリー、本当の意味でいちばん怖い狂気のブライアン署長など脇を固める多彩なキャラクター。そして織り込まれたレオンとエイダのラブストーリーなど娯楽映画を彷彿とさせる内容でした。前作からのスケールアップを感じさせます。
しかし、違いはそれだけではありません。他のシリーズがバイオハザードという事件からの脱出、アンブレラとの対決という流れなのに対し、バイオハザード2は絶望的な危機に巻き込まれた人々の個々の戦いの物語となっているのです。
レオンとエイダの絆。クレアとシェリーの絆。そしてバーキン家の絆と崩壊。これらがバイオハザード2を忘れられない作品にしている一つのperfumeだと思っています。
僕はこの愛と家族の物語に注目しました。悲劇のロマンス、幸せそうな家族の崩壊、これは決して年表に載らない物語なのです。
そして・・・ダークサイドな話だと思いませんか?
■瀬戸康洋プロフィール
神奈川県出身。アラフォー世代。アンブレラ・クロニクルズ、ビートダウン等のディレクターを担当。
実ははるかそれ以前にバイオハザード関連のタイトルを担当していたこともある。それはおいおいお話できたら良いと思います。
2009.04.24

