1998年のレオン
ダークロに登場するレオンは、1998年に活躍する人物として登場します。t-ウィルスの拡散、つまりバイオハザードシリーズの起点が1998年なのですが、その滅びゆくラクーンシティの中で苦闘するのが今回のレオンなのです。
レオンは過去に登場したバイオハザード2、バイオハザード4と比べても少し顔が変わっています。新米警官のフレッシュな雰囲気を優先して、少しばかり甘めな顔だちになっています。また、バイオ4で作られたイケメンなイメージも消さないように気を使っています。
そんなイメージを維持するために、今回の若いレオンにどんな声で喋ってもらうのか、けっこう悩みました。
声の主はバイオ4同様にポール・メルスィエ(Paul Mercier)さんに演じてもらいました。彼はCG映画「ディジェネレーション」のレオンも演じており、いまやレオン=ポールさんというイメージができています。
録音はロサンゼルスで行いました。じつはポールさんの地声は「ディジェネレーション」のような低くクールな声なのです。そこで今回は未熟なレオンという設定に合わせて、声を熱く高めで演じてもらいました。収録の初期の頃は、演技が白熱してくると地声に戻ってしまうこともあり、収録が長引くこともありました。しかし、やはりそこはプロフェッショナル。打ち合わせを重ね、しっかり世界観を理解してもらえるとリテイクも少なくなり、スムーズな収録となりました。そして、やはりポールさんの“レオン”の声はしびれます。ぴったりです。
さて、バイオ2のレオンは生真面目で女性に弱いイメージが私にはありました。ダークロではそのイメージを踏襲しています。クロニクルズのシナリオコンセプトは、過去作のイメージを残して、さらに面白く、今の視点で描き直すということが狙いなので、レオンくんは今回も女難の相が出ることは確定しています。
しかも競演する女性たちが、クレアやエイダやシェリーなのですからハンパな立ち位置ではありません(笑)。
ただ、バイオ2の発売から本作まで、10年以上の隔たりがあり、映像技術も格段の進歩をしています。同様にサウンド面でも表現力が上がっているわけで、これはセリフまわしもしっかり考えないといけないなと思い、前回登場いただきました菅さんとシナリオを構成していきました。表現力に合わせて、キャラクターをより深く掘り下げて描けると判断しました。
はたして、レオンと女性たちとのエモーショナルなドラマをどう描くか?
実際に画をつくるために権藤監督とも、いろいろ打ち合わせを重ねました。
権藤さんはバイオハザードリメイクやバイオ4からお付き合いがあります。イベントシーンの演出をされており、スタッフともしっかりコミュニケーションの取れる非常に優秀な監督です。そんな権藤さんにとっても、レオンは非常に思い入れがあるキャラクターなのです。そして権藤さんからも、今回はリアリティを重視する方向で描いてみたいという提案がありました。
“臨場感”をテーマにしているゲームに合う、緊迫感ある関係はどうかと。
バイオ2のシナリオ、セリフは私のなかでは一つの完成形だと考えていました。しかしダークロを開発するのにあたって、今回は敢えて果敢な挑戦を行いました。
過去の名作にどこまで迫れるか、挑戦は続きます。
■瀬戸康洋プロフィール
神奈川県出身。アラフォー世代。アンブレラ・クロニクルズ、ビートダウン等のディレクターを担当。
実ははるかそれ以前にバイオハザード関連のタイトルを担当していたこともある。それはおいおいお話できたら良いと思います。
2009.05.15

