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ホラーの臨場感

ダークサイド・クロニクルズ(以下ダークロ)ついて語るうえでいちばん最初に上がってくる言葉、それが「臨場感」です。アンブレラ・クロニクルズ(以下UC)の開発を終えて次回作の構想を練っていた時、「臨場感」という言葉がテーマとして浮かんできました。

UCは私にとっていろんなことが達成できた作品であり、同時に始まりだったのです。バイオハザードの世界をダイジェストで構築し、だれでもプレイできるゲームスタイルとしてガンシューティングというスタイルを提案し、ストーリーを含めてすべてコントロールできたことが達成できた点です。


上記の点は本作ダークサイド・クロニクルズ(以下ダークロ)でもさらに追い求めているのですが、UCで残念ながら達成できなかった要素もありました。それが「臨場感」なのです。


ダークロは“恐怖”(ホラー)です。ホラーガンシューティングです。


私がバイオハザードを好きな理由もホラーだからです。閉鎖された世界でゾンビやモンスター達と戦わねばならない。生き残るには限られた銃弾、回復薬を考えて使って、時には逃げるのも必要。そのドキドキ感、緊張感をその場にいるかのよう伝えたい。


UCも一人称視点での臨場感を目標の一つとしてめざしていました。ただいろんな経緯があり、結局UCとして今の形に落ちつきました。恐怖というテーマも少し絞りきれてなかったように思います。ただ開発者の私としては、できなかったにもかかわらず、そこに手ごたえを感じていました。まだまだこのシステムと表現方法には可能性があると。


今回は「臨場感」のために様々な手法を駆使しています。


まずはカメラです。緊張感に包まれた人の視点は本来、映画的な固定されたカメラとは違って激しく動きます。今回はそんな緊張感を伝えるため、必要な場所ではまるで本当にカメラを顔につけて動かしたような挙動を実現しています。


そして一緒に戦う仲間の存在です。仲間の姿が表示されることで、格段に臨場感が上がっています。ゾンビに仲間が捕まったり、敵が潜む物影に近づいていくのを見せることで、より襲われる恐怖を体感できます。


ゲームで使われている会話音声にもこだわっています。状況によって「叫ぶ」「押し殺す」「焦る」などの細かい演技をしてもらいました。さらに、よりリアルな「臨場感」を生み出すために悲鳴だけでなく、吐息や息切れや声の乱れまで録音しています。キャラクターの恐怖が声によってより強く伝わってくるように。


臨場感を出す手法はこれだけではありません。このテーマにそって様々な可能性、要素を試しながら、スタッフと日夜奮闘しているのが現状の私です。


「ホラーの臨場感」に期待してください!


■瀬戸康洋プロフィール
神奈川県出身。アラフォー世代。アンブレラ・クロニクルズ、ビートダウン等のディレクターを担当。
実ははるかそれ以前にバイオハザード関連のタイトルを担当していたこともある。それはおいおいお話できたら良いと思います。

2009.05.01