クレアの存在感
クレアはもう一人の大切な主人公です。
何を隠そう私自身が大好きなキャラクターなのです。
クレアは大学生という設定ですが、民間人というところにじつは大きな特徴があります。アウトブレイクシリーズを別としてバイオハザードには主たる登場人物としては、民間人があまり出てこないのです。
しかし私はホラー作品において、民間人というポジションこそ大切だと考えています。
特殊技能を持たない普通の人はユーザー、観客の代名詞であり、恐怖に怯える人の象徴だと思います。
ホラー映画では普通の人が主人公の場合が多く、血祭りにあげられていきます。
そしてもし自分がこの恐怖に直面したらと観客に思い起こさせるのです。
また、女性という設定もホラーとは相性が良いのです。
私はホラー系の映画が好きでよく見るのですが、女性が主人公であることが多く、当然のことながら映画では女性の絶叫で満たされます。一般的にか弱い存在であり、抵抗手段を持たない女性が追い詰められていくのを見ることで、観客は主人公との一体感を高め、恐怖感も高まっていくのです。
クレアは強いぶぶんも持っているのですが、民間人であり、女性であり、ホラー作品の主人公として申し分のない存在です。彼女をうまく使うことでホラーを際立てることができるのではないか? 私はそう考えて、
今回のクレアに先導者としての役回りをお願いしました。
クレアの声はバイオ2からずっと変わらないアリソン・コート(Alyson Court)さんです。カナダの芸達者な声優さんで、様々な注文にも的確に応じてくれる実力者です。収録現場で1998年の若いクレアが、みるみる仕上がっていき、収録も楽しく、スムーズに進んでいきました。
普通の女の子がゾンビ蠢く街に放り込まれたときに、恐怖で呼吸が乱れ、悲鳴をあげるさまをどのように演じてもらうか? そしてどんな感じでセリフを口走るのか? その声を聞いただけでこの世界の恐怖が伝わるように、注力して演じてもらっています。
クレアの存在感、それはホラーの臨場感を盛り上げるのに必要なものなのです。
■瀬戸康洋プロフィール
神奈川県出身。アラフォー世代。アンブレラ・クロニクルズ、ビートダウン等のディレクターを担当。
実ははるかそれ以前にバイオハザード関連のタイトルを担当していたこともある。それはおいおいお話できたら良いと思います。
2009.05.22

