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人の意識のカタチ

ダークロのクオリティや面白さは前作アンブレラを超えたと思います。それは統括している私が実感しています。なぜこんなことが言えるかといいますと…。



ダークロは基本コンセプトをカプコンで作り、開発をキャビア社にお願いしています。


キャビアさんは、オリジナルブランドでもゲーム開発を行っている制作会社で、何を隠そう私はかなり長い付き合いだったりします。弊社製作の格闘ゲームBEATDOWNはキャビア社との共同開発だし、その後アンブレラ・クロニクルズの制作でもご一緒させていただきました。独創力を持ち、技術力も高い開発会社だと思います。


さて、今回は意識的にスタッフを前作アンブレラと同じに揃えています。ダークロで前作以上のクオリティを引き出すために私が選んだのが、この前作経験者のスキルを生かすという方針でした。それはなぜか?


エンターティメントの根源にあって大事なことは「面白いものを作ろう」という“人の意識”です。もちろんハードウェアやライブラリなど様々な要素が絡み合っているのがゲームというエンターティメントですが、その根源に必ず必要なものだと考えています。つまり「ゲームを良くしよう」という人の意識なのです。


キャビア社のディレクターである小竹宏明さんは、前作「アンブレラ」でも制作ディレクターとしてガンシューとしての遊びや基本部分の設計を行いました。そして今回もゲームの面白さや難度など大事な部分をコントロールしてもらっています。とても大変な仕事です。


しかし、いちばん大変なのは、人の熱意ある意識を、どうやってまとめ上げるかということなのです。


人それぞれの意見がある現場の中で、自分の考えを浸透させていくことは相当難しかったりします。意見の食い違いや、方向性の問題でぶつかり合うこともあります。メンタル的にも追い詰められ、いわゆる修羅場ってヤツを迎えることもあります。


しかしながらそんなぶつかり合いは必要だと考えています。人と人がそれぞれの面白いことをやろうとしているのだから当然そこに摩擦が生まれます。摩擦を良い方へ導くことができれば、最終的に良いものができるはずです。ディレクターの役割とは、摩擦の向きを正しい方向に導き続けることなのです。


成果を残したチームのスタッフは、そんな摩擦をいちど体験しているわけなので、アドバンテージがあります。実際にゲームのパーツが揃い始めてくると、やはりその方針が間違いではなかったという実感があります。前作を確実に超えているのです。小竹さんと現場のスタッフが創り出す“人の意識”が前作を超えるべく、さらにブラッシュアップをかけているのです。


実際の現場の修羅場はもっと生々しく恐ろしいものなのですが(笑)、そんな開発の現場から生まれた面白さ、楽しさをぜひ受け取っていただきたいと思います。


■瀬戸康洋プロフィール
海外旅行好き。アンブレラ・クロニクルズ、ビートダウン等のディレクターを担当。ホラー小説が好きで、好きな作家はS・キング、マストなアイテムは初期の作品である「呪われた町」と「ファイアスターター」。この二作品、映像化されていますが小説が特にお勧めです。

2009.07.24