ダークサイドの誘い
いまいちど、“ダークサイド・クロニクルズ”というタイトルの意味に立ち返ってみたいと思います。
UCの続編としてこのプロジェクトがスタートしたときに、中心軸になったのはバイオ2とベロニカでした。UCに入ってない物語であり、私としては心残りがあったのです。また、続編を描くならオーソドックスな話ではなく、違う形で描きたいと思いました。前作でアンブレラ社の興亡史を完結させこともあり、何か他の切り口が欲しかったのです。
バイオ2とベロニカのストーリーをもういちど紐解いてみると、色々な共通点が見つかりました。
クレアが両タイトルに登場すること、時間軸が直近でありストーリーラインがつながっていること、両作品とも企業とか組織の話ではなく、あくまでも個人が恐怖に巻き込まれた物語であることなど、その時はモヤモヤとしたものでしかなかったのですが、この二作品を中心としてレオンとクレアという前作に登場してないキャラクターで話がまとめられるのではないかという気がしてきました。
UCは年代記、歴史記録というコンセプトがありましたので、人の感情を排した、ドキュメンタリーのような体裁をとっています。登場人物の感情を必要以上に描かないのがUCのスタイルでした。
私はエモーショナルなストーリーが好きですし、ホラーの恐怖という感情はそのエモーショナルなものから出ると信じています。そういう意味でもその私的なドラマを描けばUCと対になるもう一つのクロニクルができるのではないかと思いました。
感情の物語、ドラマとしてバイオ2、ベロニカを見直してみると、その中にウィルスやゾンビたちの恐怖以外の禍禍しい闇の部分があることに気づかされます。どちらも話の奥底に人間の弱さや欲望が流れており、恐怖を産み出しているのは人の中に生まれた内面の闇だったのです。
バイオ2であるならバーキン一家の中に生まれた闇。
そしてベロニカではアシュフォード家の闇。
内面の闇、これは今回の一つのテーマです。なぜバイオハザードが起き、なぜウィルス兵器の開発が途絶えることはないのか? それは介在する人の中に闇があるからです。
なぜ闇が生まれるのか、闇の生まれる場所はどこなのか? ダークロをプレイし終わったとき、一端でもそれを感じてもらえれば…、開発者冥利に尽きます。
■瀬戸康洋プロフィール
好きな魚に鰻があります。どちらかというと食べるのが好きです。あと鱧(はも)や穴子なんか似たような感じで好きなのですが、どれも味が違うのがいいですよね。似たようなものに八目ウナギがいますが、モンスターじみた外観(特に丸い口)はカッコいいのですが、こいつはうまくなかった。
2009.09.04

