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プロデューサー:大原晋作 | Main | サブタイトルができるまで
ディレクター:江口篤洋
2008.05.16 ( 金 )
「アフレコ」
プランナー:太田紘平
皆様こんにちは。
早いものでもう5月も半ばですね。
我らが『ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲』の発売日まで、
残り二ヶ月を切りました。
5月といえば夏を前にして過ごしやすい季節…のハズですが、
PCや開発機材の並ぶオフィスはそれだけで季節とは無関係に暑く、
少し気を抜くと溶けそうです。
さらに本作の開発も佳境に入ってきた最近では、
機材の熱に現場の熱気も加わり、局地的ではありますが
大変なこと(暑さにめっぽう弱い江口Dがぐったり)になっています。
さて、今回はそんな暑さもまだ恋しかった今年2月頃のお話です。
以前にもお伝えした通り、本作はこれまでのシリーズ同様
日本語吹き替えタイトルなので、製作過程上
アフレコは非常に重要な作業のひとつです。
そして、お世話になるのは以前このブログ「オーディション!」の回でもお邪魔した
収録スタジオ(ACクリエイト)とそのスタッフの方々。
皆さん今回も頼もしいです。

↑収録スタジオの入り口に出ていたアフレコ当日の案内版。
「GOW」とありますが、道端でコレを見かけても普通は何だか分からないでしょうね。
アフレコ当日は、各キャラクターの収録スケジュールに従って声優さんが順に到着、
収録を終えたら「はい次の方―」(実際こうは言いませんが)という感じで
とてもスムーズに進行しました。
各声優さんには事前にそれぞれの担当キャラクターが登場するシーンのビデオと
台本が渡されているので、当日は皆さんイメージが出来ているのか
すんなりとそれぞれのキャラクターに入り込んでいる様でした。
さすがプロです。
特にシリーズのI、IIを経験されているお馴染みのキャストの方々は持ちキャラに
違和感なく馴染んでいるので、聞いているこちらはついつい安心して
気が抜けそうになりますが、残念ながらそうのんびりしてもいられません。
そうです。そういえば仕事をしに来たのでした…。
ちなみに現場の流れとしては
江口Dが演技の基本方針を決めた後、
収録スタジオのレコーディング・ディレクターの方がそれを確認、
声優さんに概要をお伝えして収録スタート!という感じで進行します。
とは言え、声優さんには実際ゲームをプレイして頂いた訳ではないため、
どうしても台本と参考映像からは理解が難しい細かい部分の情報補足や
それに伴う演技面でのフォローは随時行っていく必要が出てきます。
基本的には頼もしいレコーディング・ディレクターの方がテンポ良く
これらのアドバイスを声優さんに伝えていきますが、
よりストーリーに踏み込んだ情景へと差し掛かった場合などには
江口Dからの解説&要望がバンバン飛び出します。
そして時には英語原文を取り出してセリフの意味を再解釈し、
大原Pの判断を仰いだりもします。
また、今作はシリーズ一作目より以前の物語ということもあり
なんと重要キャラの一人として「クレイトスの○○○」が登場しますが、
このキャラクターに関しては大原Pのこだわりが出ていますので、どうぞお楽しみに!

↑声優さんの演技をチェックしつつ台本に見入る大原Pと江口D
連日の激務で眠い…様に見えなくもないですが、そうではありません。多分。
さて、現場の流れはこの様な感じですが、
前回の僕のブログ(「校正」の回)でも軽くお伝えした通り
ゲーム中の映像を参考にしながらセリフの長さを調整して台本を作ったつもりでも、
どうしても実際にアフレコをしてみるとセリフが尺に収まりきらない場面などがあります。
よし、そんな時は一旦会社に戻ってゆっくり練り直そう…とは行かないので
その場ですぐに別の言い回しに変更する必要が出てくるのですが、
何とか尺に収めようと言葉を替えたりセリフを短くすると、往々にして台本作成時に
こちらが「伝えたい」と思っていた情報が削られてしまいます。
この時は不安になりました。
何故かと言うと、ただでさえ台本作成の時点で文章を切り詰めて
必要最小限に収めたつもりのセリフですから、
それ以上に短くなっては、キャラクターの性格や上下関係といった背景的な部分や
密かなたくらみ、強い意志などの内包的(かつ重要)な部分が伝わらなくなってしまう!
と感じられたからです。
実際に、現場でセリフを削らなければならなくなり、代替案として出たセリフに対して
(それだと説明不足になってしまうのでは?)
と思うことが何度かありました。
しかしいざ声優さんが演技としてそのセリフを用いると、
なぜかキャラの背景や内面といった、先ほど削られたはずの情報が伝わってきます。
その時は驚きに加えて素直に「おお、これが演技なのか」と感じられました。
こうして書くと皆さん「それが演技ってもんだ、当然だろう」と
思われるかもしれませんし、僕も頭では分かっていたつもりでしたが、
いざセリフを短くしたことによって
(これは伝わらないかも)
という不安感の中で受けた「確かな表現力」には本当に頼もしさを感じました。
そして同時に、何でもセリフに詰め込もうとした自分の浅はかさに気付く…と。
いやー、もう、次回何かのタイトルで吹き替えを行うことになった時には
声優さんの演技力に期待して、シンプルかつ大胆な校正を心がけたいと思ったのでした。
前回のブログで使った文面そのままで申し訳ありませんが、改めて思います。
本当に声優さんの演技によってローカライズはより完成に近づきます。
えー、さて、ひとしきり真面目なお話をして少々疲れたので、
ここいらで少し力を抜きます。
GOWシリーズファンの皆様、「吹き替え」と聞いて気になるのは
やっぱり主人公、“スパルタの亡霊”ことクレイトスさんではないでしょうか。
ご安心ください!
ブログの一発目で大原Pが告知の通り、今回も勿論クレイトス役は玄田哲章さん!
あまり玄田さんをご存知ない方のために少し例を…
・洋画好きの方にはシュワルツェネッガーやスタローン
・ガンダム好きの方にはドズル中将やスレッガー
・洋ゲー好きの方にはサム・フィッシャー
…どうでしょう、ピンと来ましたか?
例がちょっと偏ってしまったかもしれませんが、
玄田さんはその他にも、数え切れないほどたくさんの映画やアニメ、
ゲームなどでもアフレコに参加されている大ベテランなのです。
さすが今回も抜群の安定感で、物語の初めから終わりまで
シリーズ伝統のハイテンションを維持されています!
例えばアフレコ現場では、玄田さん第一声からのあまりの「クレイトスぶり」に
一同、「おお、クレイトスだ!」「クレイトスだ…」「すげえ、クレイトスだ!」と
当たり前のコメントを連発して盛り上がった程なので、
ファンの皆様も稀代のハマリ役、「玄田クレイトス」の暴れっぷりをどうぞお楽しみに!
もちろん、クレイトス以外のシリーズお馴染みキャラクターや
新キャラクターに関しても個性派揃いの声優さんがしっかりと演技されているので、
ユーザーの皆様には安心感と新鮮さの相乗効果も手伝い
本作のストーリー部分を十分に味わって頂けるのではないかと思います。
…ちなみに、ごく個人的なことで恐縮ですが
今回アフレコへご参加頂いた声優さんの中に「某宇宙船の名艦長」が
いらっしゃったのでとても嬉しかったです。
(本作では新キャラを担当された方なので詳細はまだ言えませんが…)
それでは、長くなって参りましたので今回はこの辺で。
テーマはまだ決まってはませんが…次回のローカライズ奮闘記をお楽しみに!
Engage!(某艦長風に)



