正直、パワーストーン ポータブルの制作にあたっては、この場ではお話できない様々な出来事(トラブル?)に見舞われつつも「ようやく無事にユーザーの皆さんの手元にお届けすることができる!」という思いで一杯です。
実のところ、開発当初の私はまったくパワーストーンについて知らず、その名前だけは遠い日の記憶の片隅に残っているという程度でした。そんな手探り状態の中で開発が始まり、当然のように苦戦したのが新要素の実装でした。今回はその1つである新アイテムについての裏話を軽くしておきたいと思います。
PSP版の新要素であるアイテムの追加は初期段階から決まっていたことであり、具体的に着手が始まったのは、ディレクターとのこんな会話からでした。
ディレクター「パワーストーンはキャラが○○から、新武器と一緒
にアピールできるように、各キャラに1個ずつ12個
考えて」
森次 「はぁ、なるほど」
ディレクター「新規SEはナシで、既存のSEだけを使って」
森次 「!?…分かりました」
ディレクター「あと、新規のモーションもナシでよろしく!」
森次 「!?!?…了解しました」
ディレクター「なんとかなる?」
森次 「……たぶん大丈夫でしょう」
一部フィクションもありますが概ねこんな感じでした、はい。(なぜSE等に制約が付いたのかは大人の事情ということで…)このような感じで制作を開始した新アイテムですが、その元ネタなどを↓で語っておきましょう。
1.サッカーボール(フォッカー)
「フォッカーといえばイギリス、イギリスといえばサッカーだろう!」という勝手な思い込みから派生したもよう。一時はラグビーボールも検討されたが、見た目の分かりやすさ&その当時、世間がワールドカップ一色だった事に、少なからず影響を受けて、サッカーボールになりました。
2.水晶玉(ル-ジュ)
「妖艶なる女占い師は水晶玉とセット販売でしょ!」という意味不明の妄想から生まれました。武器として使うには難しいアイテムであったため、鉄壁の防御壁で攻撃を跳ね返すという、何気に強力な補助系アイテムになりました。
3.双龍水(ワンタン)
「オッス!オラ…じゃなくて、オイラ ワンタン!」のアイテムです。元ネタは酔拳&潜在能力を限界まで引き出すあのスンゴイ水(毒?)です。名前の由来は「飲むと二人に分身して~」というボツネタの名残だとか…。
4.アメノムラクモ(竜馬)
「アイテムに剣はあるが刀がない」という事で武士の魂を投入しました。しかし、すでに剣・打撃系のアイテムはたくさん存在したこともあり、全体攻撃系の武器にすることに。実は使う側より避ける側の方が楽しいかも?
5.変わり身爆弾(あやめ)
お気に入りのアイテムですが、デザイン面でかなり迷走しました。カカシがモチーフのため国内・海外両用のデザインとしての落としどころが難しかったです。ちなみにこんなの(クリック!)もありました。
6.巨人のブーツ(ガンロック)
パワーストーンには意外にも巨大化という要素がありませんでした。「当時の開発者は巨大化による不具合の発生を避けたのでは?」などと思いつつ、危険を承知でやってみたところ、色々なことが起きました…。
7.マンチェスチェーンソー(ジャック)
ネーミングからも分かる通り、テ○サスの悪魔が元ネタです。「当たるとかなり痛いよ!」という感じで見た目をトゲトゲの2枚刃構造に。さらには刃に血痕を付けようとしたところ、ディレクターからNGが出ました…。
8.トーテムハンマー(ガルーダ)
一番のお気に入り。地面から飛び出すトーテムポールに合う音を既存SEから探すのに苦労しました。そしてようやく見つけたのが「ずっこけぼよよん」というSEでした(これマジです)。是非、ゲーム中で聞いてみて下さい。
9.ターボメット(ピート)
某ネコ型ロボットが出す道具っぽいものをイメージしました。見た目は新アイテムの中でも変わってますが、高速移動の使い心地は爽快だと思います。「ダサかっこおもろい」をテーマに作ってみました。
10.ストーンクリーナー(ジュリア)
ホワイトパール家にある、宝石を好んで吸い取る掃除機です。由緒正しい家に何故こんなものが…というイメージのアイテムです。ちなみにホワイトパール家にはまだまだ不思議なアイテムが眠っているとのこと。
11.大噴火中華ナベ(グルマン)
「調理器具をアイテムに!」と意気込んだものの、調理器具と武器が上手く繋がらず苦しみました。最終的には炎を撒き散らす中華ナベという、グルマンらしく嫌がらせ要素の高い、はた迷惑なアイテムに仕上がりました。
12.サンダーボルト号・エア(アクセル)
古いカプコンファンの方なら分かると思いますが、元ネタはガンスモークに登場する馬「サンダーボルト号」です。ただし、ガンスモークと世界観的な繋がりがあるかどうかは不明です。機動力だけでなく、攻守も兼ね備えたかなり高性能なアイテムになりました。
そんなこんなで試行錯誤しながら制作した12個の新アイテムですが、既存のものとは一味違った特徴と面白さを持つアイテムに仕上がったと思います。バトル中に出現した時は積極的に使って楽しんで下さい。
とにもかくにもこのパワーストーンはオリジナル自体の出来が非常に優れている名作であることは確かです。
既に知っている人も知らない人も含め、できるだけ多くの人がこの名作に出会って、存分に楽しんでいただければと思います。
それでは、またいずれ。
>> PSP『パワーストーン ポータブル』公式サイト
