江口:みなさんこんにちは!
『GTAIV』日本語版のディレクター、江口です。
いや~、やっと終わりました。
でもあっと言う間のような気もする開発でした。
太田:みなさんこんにちは!プランナーの太田です。
ホントそうですね。
長かったような、あっという間のような…。
江口:開発期間として最短やったもんね。
テキスト量は最大なのに。
ここだけの話、本当によく終わったわい(笑)。
太田:半年も待たせやがってという声も聞こえてきますけど?
江口:海外版の開発と同時進行と思われてるんやろうね。
でも実際には海外版が発売されてから初めて始動やからね。
太田:開発作業をなんとか開始できたのが6月中頃でしたね。
江口:10月発売だから、マスターアップの〆切は8末。
そうすると実質的な開発期間は…、えっと2ヶ月強?
太田:明らかにウチのチーム最短記録ですね(笑)。
江口:ギネスに申請しとくか。
太田:無理でしょうね。
江口:そやな…。
まあ、そんな我々の些細な記録はともかくとして、
このタイトルは海外で数々の輝かしい記録を叩きだしています。
今回はその記録を生み出した秘密に、
ちょっとだけ迫ってみたいと思います!
太田:了解です。

江口:よし!
では早速だけど、久しぶりのナンバリングタイトルである『IV』。
大きな革新を遂げたと言われているけど、その特徴って何やろね?
太田:グラフィックやモーションの進化は言わずもがな、
それ以外で挙げるとすれば、人間関係やストーリーの濃さですね。
バイタリティーやハングリー精神を持った主人公、という意味では
シリーズ通りですが、ストーリーはシリアスになった印象です。
江口:大人向けの映画やドラマを観ているノリで楽しめるよね。
あるゲーム誌のライターさんが“現代版フィルム・ノワール”と
表現してくれていたけど、まさにそんな感じ。
太田:主人公の立場も随分これまでと違いますよね。
舞台は同じアメリカですけど、物語の核になるのは
“移民”達ですからね、これまでとは随分毛色が違います。
江口:アアア~~~ア♪
太田:なんですか急に?なんか聴いたことあるメロディですけど…。
江口:うん?あ、いや移民って言ったから…。
いや、なんでもない(笑)。
太田:すいません。ぜんっぜん分かりません(笑)。
文字になった時に通じなさそうなことしないでください。
江口:いや、分かる人は分かるハズや。きっと!
太田:何かを信じてるんですね。
まるで船を降りたばかりの頃の、
ローマンの成功を信じて疑わなかったニコのように…。
江口:上手いこと繋げよるな(笑)。
あれはいいオープニングだよね。すごくワクワクさせられた。
太田:あれを見た時、大げさな言い方かも知れませんけど、
遂にゲームが映画と肩を並べたか、あるいは超えたかも知れないって、本気で感じましたね。
江口:ストーリーの出来の良さとか、オリジナリティという部分は、既存のゲームと一線を画しているよね。
太田:これまでのシリーズとも違いますね。
主人公の向かう先、というかベクトルみたいなのも、
「成り上がり」よりは「サバイバル」寄りでしょうか?
江口:まあ本人は成り上がるつもりだったんだろうけどね。
リバティーシティという街と、彼の置かれた立場が、
なかなか彼の理想通りの生き方をさせてくれない。
その辺のしがらみや葛藤の描き方も実に上手いよ。

太田:それでもブラックジョークやアクの強いキャラクターを
キッチリ入れて笑わせてくれるのは流石、『GTA』ですね。
江口:シリアスなんだけど、悲壮感なく楽しめるのは、
キャラクターの個性やセリフのセンスだろうね。
ちなみに太田君のお気に入りのキャラクターは?
太田:やっぱりブルーシーじゃないでしょうか。
「ウザい」と「憎めない」のギリギリのライン。
江口:分かる分かる(笑)。
彼は愛すべきキャラやね。
彼のセリフを書いてる時は、実に楽しかったよ。
あのイッっちゃてるキャラを、どう字幕で表現してやろうか?ってね。
太田:江口さん的オススメキャラは誰ですか?
江口:リトル・ジェイコブがお勧めだね。すげえいいヤツなの。
太田:惚れ惚れするような(性格的)男前ですよね。
主人公の従兄弟であるローマンの言葉を借りれば、
「ヤツとなら接着剤を乾くのを見てるのだって飽きないぜ」ですから。
江口:ローマンな~。
彼無くして『IV』の物語は始まらないと言っても過言ではないけど、まったく困ったヤツやね(笑)。
太田:ホントそうです。あんな従兄弟はイヤです(笑)。
とんでもないトラブルメーカーですからね。
本人にその自覚ないし。…でもどこか憎めない。
江口:いや、本当にロックスターのキャラ作りの巧さを思い知ったもんだよ。
テレビの前で俺たちは、きっとシナリオライターの意図した通りの感情を抱いていたと思う。
太田:他にも実に個性豊かなキャラクターが登場するので、
ユーザーの皆さんには、是非ゲームを最後までプレイして
彼らの顛末を見届けて欲しいです。
江口:今回は色々と遊びやすくなってもいるからね。
いままでのシリーズをクリアできなかった人も、
エンディングまでたどり着けるかも。
太田:確かに。移動面で言えば、今回は「客」としてタクシーを
利用できる(※)のが実に便利です。
これまで車をまるごと“拝借”するしかなかった『GTA』としては
本当に革命的ですよね。
自分で運転するのが面倒な時は、ついつい使っちゃいます。
※タクシーはストーリーがある程度進むと利用可能になります
江口:でも今回は運転だって楽しいよ?
今までよりも乗り物の挙動がリアル寄りになったから、
運転する楽しみがアップした感じ。
太田:同感ですね。
最初は前作までの操作感と同じ感覚でいたから少し戸惑いましたが、乗り物ごとの操作感や挙動が、これまで以上にしっかり差別化されているので“車を選ぶ楽しみ”もアップしました。
江口:ゲーム中だと車は路上に溢れているけど、
「今はこれじゃなくて、アレに乗りたい!」とかね。
太田:お気に入りの車は、「隠れ家」前の駐車スペースに停めておけばセーブできますけど、せっかく手に入れた車をぶつけるのがもったいなくて、結局タクシーを使ったり…。
江口:そうそうそう!本末転倒と分かりつつもな。
結局この車、いつ使うねん…と(笑)。
太田:車に対する純粋な愛情が芽生えましたよ。
江口:太田君、リアルでは車持ってないどころか、
ペーパードライバーのくせにな(笑)。
太田:ペーパードライバーなりの愛情なのです(笑)。
江口:運転と言えば、今回はカーナビ機能も便利やね。
MAP画面で目的を設定すると、レーダー上で目的地までの
ルートが表示されるから、それに沿って走ればいい。
太田:でも、たまに逆らって最短ルートを探してみたり。
江口:うんうん。現実でもみんなよくやるよ(笑)。
でも東京だと一方通行だったり行き止まりが多くて、
結局ナビ通りに行った方が早かったりするけど。
太田:リバティーシティの中でも似たような現象は起きますね(笑)。
江口:そうそう(笑)。
そういう風に意図せず再現されたリアルさってのが、
このゲームの懐の深さというか、スゴいところだと思うよね。
太田:確かに。
江口:まあ、運転に集中したい人や方向オンチの人は、
ちゃんとナビの言うこと聞いた方がええね。
もちろん自分の方向感覚に自信がある人は、
オプションでOFFにも出来るので、お好みで。
太田:あと大きな変化といえば、「携帯電話」でしょうか?
人間関係もミッションも携帯を軸に展開されていくので、
まさに現代を舞台にしている『IV』ならではの要素ですよね。
江口:そうやな。でも便利な反面、いつ何処にいてもつかまるのも現実世界と一緒。オレなんかついつい「スリープモード」(※)にしちゃったりな(笑)。
※ストーリー進行に関わる連絡が来ない状態。任意でON/OFFが可能。
太田:ミッションの忙しさや煩わしさから離れて、
本当に自由な時間が得られますからね。
江口:よし!じゃあオレもこれから携帯の電源を落として、
自由を得るとするかな!
太田:まあ、携帯に連絡できなくても、家や実家、奥さんの連絡先も押さえてありますから、逃げ場はないですけどね(笑)。
江口:だ、誰かオレにも自由(リバティー)へのチケットをください!
>> 『グランド・セフト・オートIV』公式サイト
※本サイトへのご入場はご入場可能な18歳以上に限定しております。ご注意ください。
江口篤洋
ローカライズタイトルのディレクター(副業)。代表作は『GTA』シリーズや『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズなど。ピアニストになるのが35年来の夢だったが、35年間ピアノに触ったことがないことに先日気付いて挫折。今はピアニストの父親になることを夢見ている。0歳児のパパ(本業)。
太田紘平
ローカライズタイトルのプランナー。『GTAIV』の開発期間中「後でまとめて観よう」と録り貯めていた海外ドラマが大量になりすぎて途方に暮れていたものの、気を取り直して少しずつ消化しつつある今日この頃。特に『HEROES』、次のシーズンが始まるまでには何とかしなければ…!